先日、アンティークレース展に行ってきました。
今回のレース展では、マリー=アントワネット、ナポレオン・ボナパルトゆかりの貴重なレースなど、16世紀から19世紀のレース全盛期の作品が約170点公開されています。レースと言うといろいろな種類がありますが、今回のレース展で展示されていたのは、主にニードルポイント・レースとボビン・レースの作品でした。どちらもレース検定の1級の課題になっています。
展示されている作品を見て、本当に驚きました。
まずはニードルポイント・レース。その繊細さ。レースとは言っても、いわゆる市販されているレース糸の比ではなく、ほんのほんの細い糸が、かがりつけてあるのです。仕上がりはとっても薄くて、繊細で、これが人の手によるものかと思うと、気が遠くなってしまいます。まさに、王族・貴族のための装飾品です。何十人もの職人が、何年もかけて完成させた芸術品で、富や権力の象徴でした。
ボビンレースも、もちろん同様です。レース検定のボビンの練習の時に使ったような大きいボビンではなく、爪楊枝を少しだけ太くしたようなもの。ピンの数もびっくりするほど多くて密集していて、そのすき間から、組んだ細かい模様を見ることができました。道具の展示や製作途中のもの、羊皮紙を使った型紙など、当時の様子をうかがい知るものも展示されていましたが、そこは撮影禁止。お伝え出来ないのが、残念です。


作品は使い道により、名前が付いていて、分かりやすいところでいうと、えりの部分は「カラー」。ほかにも「ボーダー」「ラペット」「アンガジャント」などがあり、時代により流行りのものは違うようです。
全体を見ていると、圧倒されてしまうレースの世界ですが、その1つ1つのレースの小さな模様を見てみると、花びら1枚1枚や枝までいかない小さな葉の集まりなど、とてもかわいらしく感じます。写真では見ることのあったレースですが、実際に見てみると本当に素晴らしくて、やはり本物を見る大切さを感じました。
会場では、アンティーク・レース展の本が販売されていました。中の写真を見てみると記録としてはもちろん素晴らしいものですが、本物を見た後の写真というのは、何かが違う気がして本の購入はやめてしまいました。またどこかで本物を見る機会があるでしょう。そう思いながら、見てきたものを、またその感動した気持ちを忘れないため、ブログに記録しています.
アンティーク・レース展の詳細は、こちら
ダイアン・クライスコレクション アンティークレース展 横浜そごう
この後も巡回展示されるようです。次回はこちら
美術館「えき」KYOTO
展示数が多いので、時間に余裕がある時にどうぞ。思わず、じーっと見てしまいますよ。
ダイアン・クライスコレクション アンティーク・レース展の紹介でした。
レース検定にも興味を持っていただけたら、幸いです。