こんにちは、Knit BRANCHです。
今回は毛糸やソックヤーンを染める方法の紹介です。酸性染料を使用し、加熱してしっかり吸着させる方法です。お好きな色で毛糸を染めてみませんか?
おうちで毛糸を染めてみました
使用した用具
- ステンレス製やほうろうのお鍋
- 染料を溶かすためのビンや容器
- 加熱器具
- トング
- さじ
ステンレス製の容器です。毛糸の染色に使っています。加熱途中にどんどん水分が蒸発していくので、寸胴タイプのものがあればその方が使いやすいです。
こんなお鍋で染めたら、かっこいい!
トングは耐熱温度の高いものを使用しています。染料が手についてしまうと染まってしまうため、手袋を使用しています。また、酸性染料はウール向けの染料ですが、綿のTシャツなどでもシミになってしまうので、汚れてもいい服装で行いましょう。
材料
- 毛糸100g(今回は染色用ソックヤーンを使用)
- 酸性染料 3g
- 酢酸(吸収促進剤)3ml
- アゾリン(均染剤) 3ml
- 水3L
今回は、スミノールミーリングのブロンを使用しました。大好きな茶色に染まる予定です。スミノールミーリングは酸性染料なのでウールやナイロンが染められます。高温で染めるタイプです。染料の種類は他にも色々あり、染色方法も異なります。購入した染料の方法に合わせて染めましょう。
染め方
ここからはウールやナイロンの毛糸を酸性染料で染めていく方法です。毛糸でもコットンやリネン、アクリルなどは薄くしか染まらなかったりします。毛糸を用意する時は素材にも気をつけてくださいね。
毛糸の準備
今回染めるのは、染色用ソックヤーンです。ウール75%・ナイロン25%の未染色のソックヤーンです。かせの状態なのでこのまま染められます。均一に染めたいときは巻いてある毛糸ではなく、かせのものを使いましょう。
巻いてある毛糸は、机に巻いたりしてかせにしてください。
専用の道具も売っています。ダルマのはちょっとお高め
ほどいてぬるま湯に浸しておきます。乾燥したまま染めると、一気に水分を吸収してムラになってしまいます。いったんしっかり水分を吸収させ、軽く絞って使います。
染料の準備
染料を計ります。染めるものの重さによって使用する染料の量が決まります。3%o.w.fというのは濃いめです。そのあたりは好みですが、薄いものの方がムラになりやすく均一に染めるのは難しいです。染料は粉末なので、窓はしめて風で飛ばされないようにしてください。粉末の吸い込みが気になる場合は、マスクをつけたほうがいいかもしれません。
素材の重さに対する染料や薬品の重量比を表す単位として、%o.w.f が使われます。例えば、素材100gの1%o.w.fは、1gです。o.w.fは「on the weight of fiber」の略ですから、これを覚えておくと、染料の使用量は素材の重さによって決まるんだなということも、理解しやすいと思います。
染料を溶かします。ビンの中に染料を入れ、まずは少量のお湯で溶き、熱湯をたして200㏄くらいにします。
加熱するところ
今回は糸の重量の30倍の3リットルのお水を用意しました。水の中で糸が泳ぐくらいの量が必要です。ぎゅうぎゅう詰めるような状態だとムラになってしまいます。お水の量は大まかでかまいませんから、多めに入れておきましょう。
そこにアゾリン3㏄と酢酸90%を1.5㏄を加えています。アゾリンは均一に染めるために入れていますが、なくても染められます。酢酸は吸収を促進するために入れています。酢酸がない場合は、市販の食酢でも代用できます。その場合はおおよそ酢酸の20倍くらいの食酢を入れてください。
浸しておいた毛糸を絞ってきました。こういうかせを止めてあるところが2か所ほどありますからそこを目印に毛糸を整えます。


毛糸を静かに沈め、時々動かしながら5分ほど浸します。
この時の毛糸はこんな色になっています。もう染色されているように見えますが、まだしみこんでいるだけの状態です。
加熱しながら時々混ぜます。加熱はゆっくり、30分くらいかけて沸騰させるようにします。高温になってくるとどんどん糸が濃く染まってきますから、うっかり目を離さないようにしてください。


はじめは濃い色だった染液が徐々に薄くなってきます。沸騰してから30分から1時間そのまま加熱します。途中吸収を促進するために、酢酸(1.5㏄)を足しました。
加熱を終えたら少し冷まし、ぬるま湯で洗い余分な染料を落とします。
続いてウール用の洗剤で洗います。ぬるま湯だけの時より洗浄力があるので、吸着しきれなかった染料を落とすことができます。
軽く手でしぼります。


染める前と同様に結び目を手掛かりに毛糸を整えます。ネットに入れて洗濯機で1分ほど脱水しました。
脱水後はこんな感じです。乾くと少し色が変わります。もし色が薄いときは、もう一度濃く染められますが、薄くはできません。また、色止めしてしまうと再度染めたときにムラになりますから、もし色止めする場合は、乾いたときの色を見て確認してからにしましょう。
染色のまとめ
- 毛糸は湿らせた状態で染めましょう。
- 染料の使用料は素材の重さによって決まります。
- 濃く染まってしまったものは薄くはできません。
- 染料で指定されている温度までしっかり加温しましょう。
- ムラにならないよう十分な量の染色液で染めましょう。
- 染料の使用量、配合の割合を記録しておくと、次回からの染色に役立ちます。
- 染色後はしっかり洗浄しましょう。
おまけ
今回は明るい茶色に染まりました。靴下を編む予定です。ウールの染色はフエルト化に気を付ける必要がありますが、ソックヤーンや防縮加工されたウールは取り扱いやすい素材です。ご自宅でも染色を楽しんでみませんか?
染色中は酢酸を入れているので、酸っぱいにおいがします。私はあまり気にしていませんが、換気をしっかりしながら染めることをおすすめします。
染めた糸は、玉巻器で巻いておくと、すぐに編み始められますよ!
今回は毛糸の染色方法をまとめてみました。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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